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 NO13 種類株を使った新たな事業継承案


 平成19年度より国税庁は、中小企業の事業継承を円滑に進めるため、無議決権株など「種類株」の新たな
相続税の評価ルールが作られました。

1.種類株とは

   会社は、剰余金の配当や残余財産の分配、株主総会での議決権、譲渡制限の有無、役員の選任権
  などについて、その内容の異なる株式を定款に定めて登記することにより、さまざまな株式を発行
  することができます。これらの内容の異なる株式の総称を種類株といいます。
  相続による事業継承をスムーズに進める上で、これらの種類株の活用が注目されています。

  【種類株の活用例】
 @議決権制限株の発行
   議決権制限株とは、株主総会での特定の議決権が制限された株をいいます。後継者に議決権の
  ある株を相続させ、後継者以外の相続人に議決権制限株を相続させることにより、後継者に議決権
  を集中させることが可能となります。
 A拒否権付種類株の発行
   拒否権付種類株(黄金株)とは、株主総会の特定の決議事項について、拒否権を有する株をいいます。
   現経営者が一定期間黄金株を保持して、後継者の独断専行などを防ぐことが可能となります。

2.会社法の改正

   旧会社法では、これまで議決権を制限する株の発行量について発行済み株式の半分以下として限定して
  いましたが、平成18年5月に施行された新会社法では、中小企業などについては、その発行枠を完全撤廃する
  ことになりました。
   その撤廃により議決権のない無議決権株の大量発行ができるようになり、事業継承策として活用すること
  がより有効になりました。


3.無議決権株等の相続税評価の5%減

   これまで相続税での種類株の評価方法が固められてはいませんでした。しかし新会社法での無議決権株
  の発行制限の撤廃などの改正に基づき、国税庁は、中小企業の事業継承を
  円滑に進めるために、この無議決権株などの「種類株」の新たな相続税の課税ルールを固めました。
   新ルールでは、無議決権株の相続税の評価を5%低く見積もり申告できるようになります。
  そのことにより、後継者以外の無議決権株を相続する者は、税負担が軽くなるため納得が得られやすく
  相続した議決権株が分散して争いの火ダネになるリスクを抑えることができると考えられます。
  この場合には、相続人全体での評価額が下がらないよう無議決権株の評価減分を議決権株の評価に
  上乗せすることになります。また従来どおりに議決権の有無に関係なく1株当たりの評価を同じ金額で申告
  することも可能とされています。
   会社や合併や取締役の選任などで拒否権を発揮することができる「黄金株」については、その利用を
  しやすくするため、黄金株については加算評価をすることなく普通株と同じ評価で取り扱うとされています。
   なお、この新ルールは平成19年1月1日以後に相続が発生したケースから適用されることとなります。

4.円滑な事業継承のために

   中小企業白書の2006年度版によると、年間廃業企業29万社のうち約1/4は、その廃業理由の第一に
  後継者難を挙げています。相続税においても、中小企業のオーナー経営者の株を相続する場合、優良な
  中小企業ほど相続税の納付額が1千万円単位になる事案が多く、事業継承の妨げになっています。
   このため平成19年度の税制改正では、相続時精算課税制度において、非上場株を生前贈与する場合の
  非課税枠を引き上げるなど特例が創設されます。円滑な事業継承に新会社法の改正に伴う「種類株の活用」
及び「無議決権株等の相続税評価の5%減」などの制度を有効に利用してみてはいかがでしょうか。



     平成18年5月1日以降は新会社法が施行されましたので、原則としていろいろな種類の株式を
    発行できることになりました。例えば、他の株主には配当はできないが特定の株主にだけは優先して
    配当(例えば5%)をしますが、その代わり配当決議しか参加できないという株式を発行することも
    出来ます。このような種類株式は相続対策としても非常に有利です。
    具体的にはまたご相談してください。
                                                友弘