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 NO16 路線価が上昇しましたが・・・。


 都市と地方とでは地価の動向にバラツキが残りますが、この夏の路線価発表では、都市部で路線価が上昇に
転じたところが多くありました。
 この上昇傾向を機に、税制を活用し将来を見据えて上手に相続対策を見直してはいかがでしょうか。

 8月に路線価の発表がありました。お持ちの土地の路線価が久しぶりに反転して、ホクホク顔の方もいらっしゃる
のではないでしょうか?しかし、ちょっと待て下さい。相続税では土地の評価は路線価に基づいて行われます。
路線価が上がるということは相続税額が増える可能性を意味するのです。


1.どうしたら…

    都市部と郊外で二極分化が進んでいるようですが、どうやら土地の価格も底入れしたようです。(表参照)
  今後も地価が上昇するという保証はありませんが、地価の上昇が見込まれる物件については、もう一度相続税
  を検討してみたいものです。
   では、どうするのか?
   相続税に使う路線価は、相続財産の評価の基準のみなら
  ず、実は贈与税財産の評価にも用いられています。
  そこで路線価が上昇していく前に贈与をしていくのはどう
  でしょうか。しかし、不動産の上昇が見込まれるからといっ
  て単純に贈与をすれば、最高税率50%での高額な贈与税を
  課せられます。
   まずは贈与税の配偶者特別控除の利用が考えられます。
  路線価が低い段階で贈与をすれば、より大きい土地が配偶
  者に贈与できます。しかし、控除枠が2000万円となってい
  ますし、居住用不動産の贈与、相手方が配偶者に限定、と
  使い勝手はよろしくありません。


2.本命は相続時精算課税

   やはり本命は相続時精算課税制度の活用ではないでしょうか。
  平成15年に創設された同制度もかなり浸透してきたようですが、その内容を簡単にご紹介します。親から子
  への一定の贈与(財産の内容や回数の制限はありません)については、生涯2500万までは非課税、2500万超
  については税率一律20%の贈与税とする制度です。注意すべき点はこの制度を用いて贈与した財産は相続の
  際にもう一度相続財産として相続税の計算に取り込むこと(相続財産の持ち戻しといいます)が必要となるこ
  とです。ただし、既に支払った贈与税がある場合は、相続税額から控除します。つまり、相続税の前払い制度と
  もいうべき制度です。相続の際に再計算するならば、なにがお得なのか?贈与税を先に支払う分、損になるの
  ではないか?
   ここで、思い出して欲しいのは、贈与の場合の土地の評価は路線価で行うということです。相続時精算課税
  制度においては相続の際の再計算は贈与時の評価、つまり、土地ならば贈与時の路線価を基準とした価格と
  なります。と、いうことは今後路線価が上昇する見込みがある土地は早めに相続時精算課税を用いてお子様
  に贈与しておけば、将来の相続時の評価額を現在の贈与時の評価額に固定することができます。地価の反転が
  見込まれるようになってきた昨今、同制度の見過ごされてきた側面が浮き彫りになってきました。ただし、相続
  時に路線価が下がった場合も評価は固定されますが。
   もちろん、この制度は収益物件の贈与にも使えます。


3.さらに

    路線価は公示価格(時価)の8割程度といわれています。ただし、最近の地価上昇により実勢価格と路線価
  の乖離が拡大している場所が生じています。これは、評価時点による差ですので、将来的には解消されてい
  きます。つまり、実勢価格が高いところは来年以降路線価が上昇する可能性を秘めているということです。
  その面では、相続時精算課税制度を含め、贈与のご検討は早めに済ませておきたいところです。

4.最後に

   以上、贈与を用いた相続対策を検討してみました。路線価の上昇という久し振りの事態に対応した観点からの
  ご紹介です。この検討の際には、地価の先行きを読むことがたいへん重要になります。


     路線価が上昇に転じた地域においては、公示価格と路線価の乖離を調べてみる必要があります。
    路線価が公示価格の8割に達していないのであれば、路線価はまだ上昇していく可能性があります。
     このようなエリアにおいては、今回のニュースの相続時精算課税制度の活用をおすすめします。
    今の低い路線価で相続の時には相続財産を計算できる可能性があるからです。
      詳しくは、ご相談下さい。     友弘