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 NO7 任意後見人はいつから仕事をするのですか? 

 
任意後見契約は、十分判断能力がある時に、公正証書で契約をします。その後、判断能力
が低下し、本人が自分の財産管理等を十分に行うことができなくなってから、任意後見人の
仕事が始まります。「具体的にはどうなるのかなぁ・・・」とお思いでしょう。
 今回は、実務に即したケースを取り入れながら、お話を致します。

 任意後見人の仕事開始時期
 当初は十分な判断能力がおありになりますが、年齢を重ねたり、また、病気等が原因とな
ったりして、判断能力がだんだん低下していき、判断能力が不十分、あるいは著しく不十分、
また、判断能力を欠く、という様な状態になった時に、任意後見援助が開始することになります。
具体的には、ご質問にあるように、本人がお元気なのに、判断能力が十分あるのか?という
ことを、毎月任意後見人ご本人が会って、その本人の状況を判断するというわけにはいきません。
 実務上では、本人と任意後見人との間で、委任契約を結びます。そして、本人から任意後見人
のところに、例えば毎月1日から5日の間に電話をして頂いて、本人と任意後見人がお話をし、
判断能力の低下の有無を判断する、という形が通常取られているようです。
 本人からの電話が1日から5日の間に無かったり、あるいは、その間にあったけれども、
話をしていると、どうも先月の事をもう既に忘れておられるとか、何か実務上の中で困難な
状態があったとか、足が悪くなられてきたとか、家賃の付け込みを忘れていると思われるとか、
不当に高いリフォーム代を請求されておられるとか、色々な事が分かります。判断能力が十分
な間は、1日から5日の間に必ず本人からも連絡がありますので、その場合には、その電話
連絡の他に、年に1回か2回実際にお会いしてお話もする、というような形で推移していく事と
なります。
 その後、判断能力が不十分になってこられたり、著しく不十分、あるいは、判断能力を欠いて
こられた場合に、任意後見契約がスタートする事となります。

 Q 日本の任意後見制度は、世界で最も進んでいるといわれるのは、どういった点
   にあるのでしょうか?

 
  任意後見契約がスタートし、任意後見人が事務処理を行うにあたっては、任意後見
   監督人が選任されます。その任意後見監督人が任意後見人の事務処理を監督し、任意
   後見人の代理権の乱用を防止する事ができるような仕組みを作り出した、そういう制度
   が非常に優れているといわれています。
    任意後見人が事務処理をするのは、本人の判断能力が低下した後の事ですから、
   任意後見人の事務処理が適正に行われているか否かを本人がチェックする事は非常
   に難しい事です。
    従って、任意後見監督人にこれをさせる事としたのです。任意後見監督人は、任意
   後見人からその事務処理状況の報告を受け、これに基づいて、任意後見人の事務処理
   状況を家庭裁判所に報告し、その指示を受けて、任意後見人を監督します。
    このようにして家庭裁判所が、その選任した任意後見監督人を通じて、任意後見人の
   事務処理を監督する事により、任意後見人の代理の乱用を防止する事ができる仕組み
   になっています。
    任意後見監督人は、家庭裁判所に選任を申し立てる事が必要になります。選任を申
   し立てる事ができるのは、任意後見人になることを引き受けた人、あるいは、本人の4
   親等内の家族、または、本人自身という事になります。本人以外の人が申し立てる場合
   には、本人が自分の考えや気持ちを表示することができる状況にある限り、本人の同意
   が必要です。ですから、本人がまだ希望していないのに、その意思に反して、任意後見
   監督人が選任されたり、任意後見人が本人に代わって仕事を始めるという心配はあり
   ません。


 Q まだ判断能力が低下しているという状況にあるわけではないのですが、
   年を取って足腰が不自由なので、代理人を選んで財産管理等を任せたいのですが、
   このような契約は結べますか?

 A  そのような契約も結べます。これは任意後見契約ではありませんが、通常の委任契約
    としてこのような契約をする事ができるのです。

      日本の任意後見制度は世界でももっとも進んでいるといわれています。
     それにしても、判断能力が乏しくなると、金銭管理面での種々のトラブルの可能性があるものです。
     (項目10、知人による搾取の可能性等)                       友弘