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ＮＯ８ 相続税の申告書が送付されたら必ず申告すべきですか？
税務署には、何の通知もしていないのに、どうして父が亡くなった後、相続税の申告書が
勝手に送られてくるのでしょうか？また、その場合申告しなければならないのでしょうか？
今回は、このような疑問に答えていきたいとおもいます。
１．どうして相続税の申告書が勝手に送られてくるの？
女性 先生、父が亡くなったんですが、税務署には何の連絡もしていないのに、相続税の申告書が送られてきました。どうしてなんですか？
友弘 人が亡くなった場合には、同居の親族等が亡くなったことを知った日から7日以内にその死亡地の市町村長に対し、「死亡届け」を提出することにな
っているのはご存知ですよね？
女性 ええ、それは知ってますよ、ちゃんと出しましたから。友弘 その死亡届けの提出を受けた市町村長は死亡届をうけた日の翌月末までに「死亡届」を管轄内の税務署長に通知しなければならないという法律が
ある のです。この法律によって税務署は、人が亡くなったことを知ります。
女性 なるほど、私たちが市町村長に出した死亡届を通じて、ほぼ1ヶ月以内くらいに税務署の方に通知がいくんですね。
ところで、先生、私たちのところは父が亡くなっても相続税の申告は必要
ないと思うんですが、相続税を払う必要の無いところにまで税務署は相続
税の申告書を送ってきているんですか？
友弘 結論から言うと、相続税の申告書を送ってこられたからといって、全員が必ず申告をしなければならないということはありません。税務署は相続税を
支払わなければならないだろうと思われる方に対して送っているのであって、
必ずその方が支払が必要だというわけではありません。
女性 どういう基準で送っているのでしょう？友弘 ① 相続税を絶対支払わなくてはならないであろう大口資産家さんには勿論送っています。
② 相続税が課されるであろうと思われる人のひとつの基準として複数の
不動産を所有している人に対してはほとんど相続税の申告書が送られて
きているのが事情です。複数の不動産を持っていても評価が低い場合
とか、小規模宅地を使えば相続税額が発生しない場合もあります。
女性 そうすると、相続税の申告書が送られてきたからといって必ずしも申告しなければならないということはないんですね。
友弘 そんなことはありません。今、基礎控除額の見直しが検討されていますが、基礎控除額以下であれば、申告書の提出は不要です。ただし、配偶者の
税額 軽減とか、小規模宅地等の減額を適用しはじめて税額が０になる
場合は注意 が必要です。
これらの規定の適用は申告書の提出が条件となっているからです。
女性 ということは、先生、相続税の申告書が送られてきてなくても、申告しなければならない人もいるんじゃないんでしょうか？
友弘 そうなんですよ。申告書が送られてきてなくても、基礎控除を超える方は申告が必要です。
女性 相続税の申告書が送られてこなかったからといって本当は申告しなければならないのに、申告しなかったら後で、無申告加算税等がかかってくるん
でしょうか？
友弘 そうなんですよ。日本の税法では自主的に納税者の方が申告することになっていますので、申告書がたとえ送られてこなくても納税が必要な場合ｊに
納税を忘れていれば、無申告加算税とか、延滞税とかが課せられますの
で注意が必要です。
女性 よくわかりました。ありがとうございました。
あと、相続人は税務署に何ら通知をしていないのに
相続税の申告書が送られてくることがあります。相続税の申告書を
送付してこられたからと言って申告必要というわけではありません。 友弘